「Webデザイナーに興味があるけれど、未経験から転職できるのだろうか」と不安を感じている方は少なくありません。結論から言えば、未経験であってもWebデザイナーへの転職は十分に可能です。ただし、やみくもに転職活動を始めても成功するのは難しく、適切な準備と戦略が求められます。
本記事では、未経験からWebデザイナーへ転職するために必要なスキルや知識、ポートフォリオの作り方、具体的な転職ステップまでを網羅的に解説します。
「Webデザイナー転職が厳しいと言われる理由」や「何歳まで挑戦できるのか」といった疑問にもお答えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
未経験からWebデザイナーに転職できるのか

未経験からWebデザイナーへの転職を検討する際、まず気になるのは「本当に未経験でも採用されるのか」という点でしょう。実際に求人サイトを見てみると、「未経験歓迎」「未経験OK」と記載されたWebデザイナー求人は数多く存在します。
なぜ未経験者でも転職のチャンスがあるのか
Webデザイナーの需要は年々高まっており、人材不足が続いています。企業のDX推進やEC市場の拡大に伴い、Webサイトやアプリのデザインを手掛ける人材へのニーズは増加の一途をたどっているのが現状です。
経験者だけでは採用枠を埋められない企業も多いため、ポテンシャルのある未経験者を採用して育成するという方針をとる会社が増えています。特に以下のような特徴を持つ企業は、未経験者の採用に積極的な傾向があります。
- 成長中のWeb制作会社やIT企業
- 社内研修制度が充実している企業
- 若手人材の育成に力を入れているスタートアップ
- インハウスデザイナーを増やしたい事業会社
ただし、「未経験歓迎」とはいえ、全くの白紙状態で採用されることは稀です。多くの場合、基礎的なスキルを独学やスクールで身につけ、ポートフォリオを用意したうえで選考に臨む必要があります。
未経験からの転職で知っておくべき現実
未経験でもWebデザイナーになれる可能性はありますが、楽な道ではありません。競争率は高く、書類選考の段階で落とされることも珍しくないでしょう。
未経験者が直面しやすい課題としては、次のようなものが挙げられます。
スキル面の課題 デザインソフトの操作やHTML・CSSなどのコーディング技術は、一朝一夕で身につくものではありません。実務レベルに達するまでには、最低でも数か月から1年程度の学習期間が必要とされています。
実績面の課題 企業は即戦力を求める傾向があるため、実務経験のない未経験者は不利な立場に置かれがちです。この点をカバーするために、質の高いポートフォリオが欠かせません。
年収面の課題 未経験からの転職では、前職より年収が下がるケースも考えられます。特にキャリアチェンジの場合、一時的な収入減を受け入れる覚悟が必要になることもあるでしょう。
これらの課題を理解したうえで、計画的に準備を進めることが転職成功への近道となります。
Webデザイナーは何歳まで未経験から目指せるのか

「年齢制限はあるのか」という疑問を持つ方も多いかもしれません。法的には年齢による制限はありませんが、現実的には年齢が転職の難易度に影響することは否めません。
20代であれば有利に転職を進められる
20代は未経験からWebデザイナーを目指すうえで最も有利な年代といえます。企業側もポテンシャル採用として若手人材を積極的に採用する傾向があり、未経験者向けの求人も20代をメインターゲットにしているケースが目立ちます。
20代のうちに転職を決断すれば、入社後に時間をかけてスキルを磨き、30代には一人前のWebデザイナーとして活躍できる可能性が高まります。将来的なキャリアパスを考えても、早期のスタートは大きなアドバンテージになるでしょう。
30代からの挑戦も決して遅くはない
30代からの未経験転職は20代に比べて難易度が上がりますが、不可能ではありません。30代で求められるのは、これまでのキャリアで培ったビジネススキルや社会人経験をデザインの仕事に活かす視点です。
たとえば、マーケティング職の経験があれば「ユーザー視点でのデザイン提案」ができますし、営業職の経験があれば「クライアントとのコミュニケーション力」を武器にできます。単にデザインスキルを学ぶだけでなく、前職での経験とWebデザイナーとしての仕事をどう結びつけるかを明確にアピールすることが重要です。
40代以降は戦略的なアプローチが必須
40代以降から未経験でWebデザイナーを目指す場合、正社員としての転職は相当な困難が伴います。しかし、完全に不可能というわけではありません。
この年代で成功するためには、以下のような戦略が効果的と考えられます。
まず、フリーランスや副業としてWebデザインの仕事を始め、実績を積み上げてから正社員への転職を目指すというステップを踏む方法があります。また、業界や企業規模にこだわらず、幅広い選択肢を検討することも大切です。中小企業やスタートアップでは、年齢よりも実力やモチベーションを重視するケースも見られます。
未経験者がWebデザイナー転職で厳しいと言われる理由

「Webデザイナーへの転職は厳しい」という声を耳にすることがあります。なぜこのように言われるのか、その背景にある理由を整理してみましょう。
人気職種であるがゆえの競争率の高さ
Webデザイナーは「クリエイティブな仕事ができる」「リモートワークがしやすい」「手に職がつく」などの魅力から、多くの人が目指す人気職種となっています。その結果、未経験可の求人には応募者が殺到し、競争率が非常に高くなる傾向にあります。
特に条件の良い求人では、数十名から百名以上の応募が集まることも珍しくありません。そうした中で選ばれるためには、他の応募者との差別化が欠かせないのです。
専門的なスキルの習得が求められる
Webデザイナーの仕事には、デザインセンスだけでなく、さまざまな専門スキルが必要とされます。
デザインスキル 配色、レイアウト、タイポグラフィといったデザインの基礎知識に加え、ユーザビリティやUI/UXの考え方も求められます。
ツールスキル Adobe PhotoshopやIllustrator、Figma、Adobe XDなどのデザインツールを使いこなす能力は必須といえるでしょう。
コーディングスキル HTML、CSS、JavaScriptの基礎知識も多くの求人で求められます。コーディング不要のポジションもありますが、知識があるほうが仕事の幅は広がります。
これらのスキルを一定レベルまで引き上げるには、相応の時間と努力が必要であり、挫折してしまう人も少なくありません。
実績やポートフォリオがないと書類選考を通過しにくい
企業が採用を決める際、最も重視するのはポートフォリオです。未経験者の場合、実務経験がないためポートフォリオの質が合否を大きく左右します。
しかし、初心者がいきなりプロレベルのポートフォリオを作るのは困難です。どのような作品を載せればよいのかわからず、見せられるものがないまま応募してしまい、不採用が続くという悪循環に陥る人も見受けられます。
育成コストを避けたい企業も存在する
未経験者を一人前に育てるには、研修や指導に時間とコストがかかります。人員に余裕のない企業や即戦力を求めるプロジェクトでは、未経験者の採用に消極的なことも珍しくありません。
特に規模の小さな制作会社や、繁忙期にスポットで人材を確保したい企業では、経験者のみを募集するケースが目立ちます。未経験者が応募できる求人は全体の一部に限られるという現実があります。
AIの台頭による影響
近年はAIツールの発展により、デザイン業務の一部が自動化されつつあります。画像生成AIやデザインアシストツールの登場により、単純なデザイン作業の価値は相対的に低下しているという見方もあります。
このような変化の中で、Webデザイナーにはより高度なスキルや付加価値の提供が求められるようになっています。AIにはできない創造性や課題解決能力、クライアントとのコミュニケーション力が一層重視される時代になっているといえるでしょう。
未経験からWebデザイナーになるために必要なスキル

転職を成功させるためには、どのようなスキルを身につければよいのでしょうか。未経験者が優先的に学ぶべきスキルを詳しく見ていきましょう。
デザインの基礎知識
Webデザインを行ううえで、デザインの基礎理論を理解しておくことは非常に重要です。
レイアウトの原則 情報を整理して見やすく配置するための基本ルールを学びましょう。近接、整列、反復、対比といった4つの基本原則は、あらゆるデザインに応用できる普遍的な知識です。
配色理論 色彩がユーザーに与える心理的効果や、調和のとれた配色の作り方を理解することで、説得力のあるデザインが作れるようになります。カラーホイールの使い方や補色・類似色の関係なども押さえておきたいポイントといえます。
タイポグラフィ フォントの選び方や文字の配置、行間や文字間の調整方法を学ぶと、読みやすく美しいデザインが可能になります。Webで使用されるフォントの特性や、日本語と英語フォントの組み合わせ方なども重要な知識です。
これらの基礎知識は、書籍やオンライン講座で体系的に学ぶことができます。
デザインツールの操作スキル
Webデザイナーの仕事では、デザインツールを使いこなす能力が欠かせません。
Adobe Photoshop 写真の加工やバナー制作、Webデザインのカンプ作成など、幅広い用途で使用されるソフトです。レイヤー操作や選択範囲の作成、色調補正などの基本機能は確実にマスターしておきたいところです。
Adobe Illustrator ロゴやアイコン、イラストの作成に使用されます。パスの描画やオブジェクトの操作、文字組みといったベクターグラフィックの基礎を習得しましょう。
Figma 近年急速に普及しているUIデザインツールです。ブラウザ上で動作し、複数人での共同編集が可能という特徴があります。コンポーネント機能やプロトタイピング機能を使いこなせると、実務で重宝されます。
Adobe XD Figmaと同様、UIデザインやプロトタイピングに特化したツールです。Adobeの他製品との連携がスムーズなため、Photoshopと併用している現場も多く見られます。
どのツールから学ぶべきか迷った場合は、FigmaかPhotoshopを優先することをおすすめします。どちらも求人での需要が高く、無料で始められる点もメリットといえます。
HTML・CSSの基礎知識
Webサイトの構造を記述するHTMLと、見た目を整えるCSSの知識は、Webデザイナーにとって必須のスキルです。
HTMLの基礎 見出し、段落、リスト、リンク、画像の挿入といった基本的なタグの使い方を覚えましょう。セマンティックなマークアップを心がけることで、SEOやアクセシビリティにも配慮したサイトが作れるようになります。
CSSの基礎 セレクタの書き方、ボックスモデル、フレックスボックス、グリッドレイアウトといった概念を理解しておくと、デザインカンプを正確にコードに落とし込めるようになります。レスポンシブデザインへの対応も現代のWebサイトでは必須要件です。
コーディングを専門に行うのはフロントエンドエンジニアの役割ですが、Webデザイナーもこれらの基礎を押さえておくことで、実装を意識したデザインができるようになります。
JavaScriptの基本
JavaScriptはWebサイトに動きやインタラクティブな要素を加えるためのプログラミング言語です。Webデザイナーとして深い知識が必須というわけではありませんが、基本的な仕組みを理解しておくと役立つ場面が多々あります。
スライダーやハンバーガーメニュー、スクロールに連動したアニメーションなどは、JavaScriptを使って実装されるケースがほとんどです。こうした機能の仕組みを知っておくことで、デザイン提案の幅が広がるでしょう。
jQueryというライブラリを使えば、JavaScriptよりも簡単にさまざまな動きを実装できます。まずはjQueryから触れてみるのもひとつの方法です。
UI/UXの知識
見た目の美しさだけでなく、使いやすさや心地よさを追求するUI/UXの知識も現代のWebデザイナーには求められます。
UI(ユーザーインターフェース) ボタンのサイズや配置、ナビゲーションの構成など、ユーザーが直接触れる部分の設計に関する知識です。操作しやすく、わかりやすいインターフェースを設計できることが重要視されています。
UX(ユーザーエクスペリエンス) ユーザーがサービスを通じて得る体験全体を設計する考え方です。ペルソナの設定やカスタマージャーニーマップの作成など、ユーザー中心設計のプロセスを学ぶと、より説得力のあるデザインが可能になります。
UI/UXの知識があるWebデザイナーは市場価値が高く、上流工程から参画できるチャンスも広がります。
未経験者のポートフォリオ制作ガイド

転職活動において最も重要なのがポートフォリオです。未経験者がどのようにポートフォリオを準備すればよいのか、具体的に解説していきます。
ポートフォリオとは何か
ポートフォリオとは、自分が制作した作品をまとめた作品集のことです。Webデザイナーの転職活動では、履歴書や職務経歴書以上にポートフォリオが重視される傾向にあります。
採用担当者はポートフォリオを通じて、応募者のデザインスキル、センス、考え方、成長可能性などを判断します。未経験者の場合は実務経験がない分、ポートフォリオでの印象が採否を決定づけるといっても過言ではありません。
ポートフォリオ制作に必要なもの
ポートフォリオを作るにあたって、最低限用意しておきたいものを整理しておきましょう。
パソコン デザイン作業にはある程度のスペックを持つパソコンが必要です。MacとWindowsのどちらでも構いませんが、デザイン業界ではMacを使う現場が多い傾向にあります。メモリは16GB以上、ストレージは256GB以上あると安心です。
デザインソフト Adobe Creative Cloud(Photoshop、Illustratorなど)の契約が必要になります。学生や教職員であれば割引価格で利用可能です。FigmaはWebブラウザ上で無料から使えるため、コストを抑えたい場合におすすめといえます。
テキストエディタ HTML・CSSのコーディングにはテキストエディタが必要です。Visual Studio Code(VS Code)は無料で高機能なため、多くの開発者に愛用されています。
ポートフォリオに載せる作品の作り方
未経験者が頭を悩ませるのが「載せる作品がない」という問題です。実務経験がなくても、以下の方法で作品を用意できます。
架空のWebサイトをデザインする 実在の企業やサービスを参考に、架空のWebサイトをデザインしてみましょう。たとえば「地元の老舗和菓子店のリニューアルサイト」「20代女性向けヨガスタジオのLP」など、ターゲットやコンセプトを明確にして制作すると説得力が増します。
既存サイトのリデザイン 気になるWebサイトを選び、自分なりにリデザインしてみる方法も有効です。なぜその変更を加えたのか、どのような課題を解決しようとしたのかを説明できると、デザイン思考をアピールできます。
デザインコンペに応募する クラウドソーシングサイトなどで開催されるデザインコンペに参加し、実際の課題に取り組むことで実践的な作品が作れます。採用されなくても、制作プロセスそのものが良い経験になるでしょう。
バナーやSNS画像を制作する Webサイト全体のデザインはハードルが高いと感じる場合、まずはバナー広告やSNS投稿用画像から始めてみてはいかがでしょうか。小さなサイズでもデザイン力を示すことは可能です。
ポートフォリオサイトの作成手順
作品が揃ったら、それらをまとめたポートフォリオサイトを制作します。
1. 構成を考える トップページ、作品一覧、作品詳細、自己紹介、お問い合わせといったページ構成が一般的です。見せたい作品の優先順位を決め、最も自信のある作品が目に入りやすい構成にしましょう。
2. デザインを作成する まずはFigmaなどでサイトのデザインカンプを作成します。シンプルで見やすいデザインを心がけ、作品自体が引き立つようにしましょう。派手すぎるデザインは作品の印象を弱めてしまう可能性があります。
3. コーディングする HTML・CSSを使って実際にWebページとして構築します。レスポンシブ対応も忘れずに行いましょう。採用担当者がスマートフォンで閲覧するケースも少なくありません。
4. 公開する 完成したサイトはサーバーにアップロードして公開します。レンタルサーバーを借りる方法のほか、GitHub PagesやNetlifyなど無料で使えるホスティングサービスも活用できます。
ポートフォリオを魅力的にするポイント
他の応募者と差をつけるために、以下のポイントを意識してポートフォリオを作り込みましょう。
制作意図を明確に記載する ただ作品を並べるだけでは不十分です。「誰に向けて」「どのような課題を解決するために」「どのような工夫をしたのか」といった制作プロセスを言語化しましょう。論理的な思考力があることを示せます。
ビフォーアフターを見せる リデザイン作品の場合は、元のデザインと改善後のデザインを比較できるようにすると効果的です。どこをどう変えたのかが一目でわかり、問題発見能力と解決力をアピールできます。
定期的に更新する ポートフォリオは作って終わりではありません。スキルが向上したら新しい作品を追加し、古い作品は入れ替えていきましょう。転職活動中も学び続けている姿勢を示すことで、成長意欲をアピールできます。
応募先に合わせてカスタマイズする 応募する企業の事業内容やテイストに合わせて、見せる作品の順番や見せ方を調整することも効果的です。EC系の企業に応募するならEC関連の作品を前面に出すなど、戦略的にアピールしましょう。
未経験からWebデザイナーになるためのロードマップ

転職を成功させるためには、計画的にスキルを習得していくことが大切です。未経験者向けの学習ロードマップを順を追って説明します。
ステップ1:デザインの基礎を学ぶ(1〜2か月)
まずはデザインの理論的な基礎を固めましょう。配色、レイアウト、タイポグラフィといった基礎知識を、書籍やオンライン講座で学びます。
おすすめの学習方法としては、良いデザインをたくさん見ることが挙げられます。PinterestやBehance、DribbbleなどのデザインギャラリーサイトでWebデザインのトレンドを観察し、「なぜこのデザインは良いと感じるのか」を分析する習慣をつけましょう。
同時に、気に入ったデザインを模写してみることも効果的です。模写を通じてプロの技術を体感することで、独学では気づきにくいテクニックを吸収できます。
ステップ2:デザインツールを習得する(1〜2か月)
デザインの基礎知識と並行して、デザインツールの操作方法を覚えていきます。FigmaやPhotoshopのチュートリアルを進めながら、基本的な操作に慣れていきましょう。
最初はツールの機能を網羅的に覚えようとするよりも、実際に何かを作りながら必要な機能を都度調べていくアプローチのほうが効率的です。「バナーを1枚作る」「名刺をデザインする」といった小さな目標を設定し、完成させる経験を積み重ねていくとよいでしょう。
ステップ3:HTML・CSSを学ぶ(2〜3か月)
デザインツールの基本操作ができるようになったら、コーディングの学習に進みます。HTML・CSSは独学でも十分に習得可能な分野であり、無料で学べる教材も豊富に揃っています。
ProgateやドットインストールなどのオンラインでのWeb学習サービスで基礎を学んだあとは、実際にシンプルなWebページを作ってみましょう。最初は既存のサイトを模写するところから始め、徐々にオリジナルのページ制作に挑戦していくのがおすすめです。
レスポンシブデザインへの対応も忘れずに学習してください。現代のWebサイトにおいて、スマートフォン対応は必須要件となっています。
ステップ4:JavaScriptの基礎に触れる(1か月)
HTML・CSSの基礎が身についたら、JavaScriptにも触れておきましょう。深い知識は必要ありませんが、基本的な文法やDOMの操作、イベント処理などを理解しておくと実務で役立ちます。
jQueryを使った簡単なアニメーションやスライダーの実装ができるレベルを目指すとよいでしょう。フロントエンドエンジニアを目指すわけでなければ、このステップに多くの時間を割く必要はありません。
ステップ5:ポートフォリオを制作する(1〜2か月)
学習がある程度進んだら、いよいよポートフォリオの制作に取りかかります。これまで学んだスキルを総動員して、自分の実力を示せる作品を作りましょう。
前述のとおり、架空のWebサイトデザインやリデザイン、バナー制作など複数の作品を用意します。作品ごとに制作意図や工夫した点を言語化しておくことも大切です。
ポートフォリオサイト自体も作品のひとつとして見られます。デザインからコーディングまで自分で行い、クオリティにはこだわりましょう。
ステップ6:転職活動を開始する
ポートフォリオが完成したら、いよいよ転職活動のスタートです。求人サイトや転職エージェントを活用して、未経験可の求人に応募していきます。
書類選考を通過するためには、履歴書や職務経歴書の内容も重要です。Webデザイナーを目指した理由や、これまでのキャリアで培ったスキルをどう活かせるかを明確に伝えましょう。
面接では、ポートフォリオについて質問されることがほとんどです。各作品の制作意図やデザインの判断理由をスムーズに説明できるよう、事前に練習しておくことをおすすめします。
Webデザインの学習方法を比較

Webデザインを学ぶ方法は大きく分けて3つあります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。
独学で学ぶメリットとデメリット
メリット 費用を抑えられる点が最大のメリットです。書籍やオンライン教材を活用すれば、数千円から数万円程度で学習を始められます。また、自分のペースで進められるため、仕事と両立しやすいのも魅力といえます。
デメリット 一方で、モチベーションの維持が難しいというデメリットがあります。わからないことがあったとき、すぐに質問できる相手がいないため、壁にぶつかって挫折してしまう人も少なくありません。体系的に学ぶのが難しく、必要な知識が抜け落ちてしまうリスクもあるでしょう。
独学が向いているのは、自己管理能力が高く、調べながら進めるのが苦にならないタイプの人です。オンラインコミュニティなどを活用して仲間を作ると、モチベーションを維持しやすくなります。
Webデザインスクールに通うメリットとデメリット
メリット カリキュラムに沿って体系的に学べる点が魅力です。講師に質問できるため、つまずいても解決策を得やすく、効率的にスキルを習得できます。転職サポートがついているスクールも多く、ポートフォリオの添削や求人紹介を受けられるのも心強いところです。
デメリット 費用が高いことがネックになります。数十万円の受講料がかかるスクールも珍しくありません。また、スクールによって質にばらつきがあるため、事前のリサーチが欠かせません。
スクールを選ぶ際は、カリキュラムの内容、講師の経歴、卒業生の就職実績などを確認しましょう。無料の説明会やカウンセリングを活用して、複数のスクールを比較検討することをおすすめします。
職業訓練校で学ぶメリットとデメリット
メリット ハローワークを通じて申し込む職業訓練校では、無料または低価格でWebデザインを学ぶことができます。失業保険を受給しながら学べる場合もあり、経済的な負担を抑えたい人には魅力的な選択肢です。
デメリット カリキュラムの内容や講師の質は地域やコースによって異なります。定員があるため希望のコースに入れないこともあるでしょう。また、日中に通う必要があるため、働きながらの学習は難しいケースがほとんどです。
職業訓練校は、退職後に集中して学びたい人や、費用を最小限に抑えたい人に適しています。
未経験者向けWebデザイナー求人の探し方

学習を終えたら、いよいよ求人探しです。未経験者がWebデザイナーの求人を効果的に探す方法を解説します。
転職サイトを活用する
マイナビ転職、リクナビNEXT、Green、Wantedlyなどの転職サイトには、未経験可のWebデザイナー求人が多数掲載されています。
検索する際は「Webデザイナー 未経験」「Webデザイナー 未経験歓迎」といったキーワードで絞り込みましょう。ただし、「未経験歓迎」と書かれていても実際には基礎スキルが求められるケースが多いため、求人票の内容をよく確認することが大切です。
女性向け転職サイトの「女の転職type」では、女性が働きやすい環境の求人を探しやすいといった特徴があります。自分に合ったサイトを複数活用するのが効果的です。
転職エージェントを利用する
転職エージェントを利用すると、非公開求人を紹介してもらえたり、履歴書やポートフォリオの添削を受けられたりするメリットがあります。
Webデザイナーやクリエイティブ職に強いエージェントとしては、マイナビクリエイター、レバテックキャリア、Geeklyなどがあります。未経験者の場合は、リクルートエージェントやdodaといった総合型エージェントも併用するとよいでしょう。
複数のエージェントに登録して、幅広い選択肢の中から自分に合った求人を見つけることをおすすめします。
企業サイトから直接応募する
転職サイトやエージェント経由だけでなく、興味のある企業の採用ページから直接応募する方法もあります。この方法は「直接応募」や「リファラル」と呼ばれ、競争率が比較的低い傾向にあるといわれています。
働いてみたいと思えるWeb制作会社やIT企業をリストアップし、各社の採用情報をチェックしてみましょう。採用ページに求人が出ていなくても、お問い合わせフォームから熱意を伝えることで道が開けることもあります。
SNSやコミュニティを活用する
TwitterやLinkedInなどのSNSで情報発信を続けることで、企業の目に留まるチャンスが生まれます。また、デザイナーが集まるオンラインコミュニティに参加し、人脈を広げることも有効な手段です。
Wantedlyでは企業をフォローしたり、ストーリー(企業のブログ記事)を読んだりすることで、企業との接点を作りやすくなっています。積極的に行動することで、思わぬ縁に恵まれることもあるでしょう。
Webデザイナーの就職先と仕事内容の違い

Webデザイナーの働き方は就職先によって大きく異なります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った環境を選びましょう。
Web制作会社
さまざまなクライアントからの依頼を受けて、Webサイトやランディングページを制作する会社です。多様な業界の案件に関われるため、幅広い経験を積めるというメリットがあります。
一方で、納期に追われることが多く、繁忙期には残業が増える傾向も見られます。未経験者を積極的に採用している制作会社も多いため、最初のキャリアとしては入りやすい選択肢といえるでしょう。
事業会社(インハウスデザイナー)
自社のサービスやプロダクトのデザインを担当するポジションです。EC企業、メーカー、サービス業など、さまざまな業界で求められています。
同じプロダクトに深く関わり続けられる点が魅力です。制作会社のようにクライアントワークに追われることが少なく、比較的安定した働き方ができるケースが多いでしょう。ただし、未経験者の採用枠は制作会社より少ない傾向にあります。
広告代理店
Webを含むさまざまなメディアの広告制作に携わります。大規模なキャンペーンに関われる機会があり、やりがいは大きいといえます。
ただし、クリエイティブに対する要求水準が高く、未経験からの転職は難易度が上がります。まずは制作会社で経験を積み、ステップアップとして目指すというキャリアパスも考えられるでしょう。
フリーランス
会社に所属せず、個人で案件を請け負う働き方です。時間や場所に縛られない自由さがある反面、営業活動や経理処理など、デザイン以外の業務も自分でこなす必要があります。
未経験からいきなりフリーランスになるのはおすすめしません。まずは会社員として実務経験を積み、人脈やスキルを培ってから独立を検討するのが現実的です。
未経験からWebデザイナーに転職した人の成功事例

実際に未経験からWebデザイナーへの転職を成功させた人たちの事例を見てみましょう。
事例1:事務職からWebデザイナーへ(20代女性)
営業事務として働いていたAさんは、「もっとクリエイティブな仕事がしたい」という思いからWebデザイナーへの転職を決意。退職後、半年間スクールで学び、その後1か月の転職活動でWeb制作会社への内定を獲得しました。
ポイントとなったのは、事務職時代に培ったExcelやPowerPointのスキルをアピールしたことです。「正確な作業ができる」「資料をわかりやすくまとめられる」といった強みが評価されたといいます。
事例2:販売員からWebデザイナーへ(20代男性)
アパレルの販売員だったBさんは、コロナ禍をきっかけにキャリアチェンジを決断。1年間独学でデザインとコーディングを学び、ポートフォリオを作成して転職活動に臨みました。
応募した20社のうち、面接まで進めたのは5社。最終的に自社サービスを持つIT企業に内定しました。販売員としてお客様と接してきた経験が「ユーザー視点でのデザイン」という強みにつながったと振り返っています。
事例3:営業職からWebデザイナーへ(30代男性)
法人営業として10年以上のキャリアを持つCさんは、30代半ばで未経験からの転職に挑戦。6か月間のスクールで学びながらポートフォリオを制作し、転職活動を始めました。
30代という年齢がハンデになると予想していましたが、営業経験を活かして「クライアントの課題をヒアリングし、デザインで解決できる」とアピール。ディレクション業務もこなせるWebデザイナーとして、中規模のWeb制作会社に採用されました。
副業からWebデザイナーを始めるという選択肢

いきなり転職するのはリスクが高いと感じる場合、まずは副業としてWebデザインの仕事を始める方法もあります。
副業から始めるメリット
リスクを抑えられる 本業の収入を維持しながら挑戦できるため、経済的なリスクを最小限に抑えられます。万が一うまくいかなくても、生活への影響は限定的で済むでしょう。
実務経験を積める 実際にクライアントワークを経験することで、独学だけでは得られない学びが得られます。納品までの流れやクライアントとのやり取りを通じて、実務で必要なスキルが身につきます。
ポートフォリオの実績になる 副業で手がけた案件は、そのままポートフォリオに掲載できます。架空の制作物よりも実際のクライアントワークのほうが説得力があり、転職活動でも有利に働きます。
副業案件の探し方
クラウドソーシングサービスでは、未経験者でも応募できる案件が見つかります。クラウドワークスやランサーズ、ココナラなどが代表的なサービスです。
最初は単価の低いバナー制作やロゴデザインから始め、徐々に実績を積み上げていきましょう。評価が上がれば、より高単価な案件や継続的な取引につながる可能性も出てきます。
副業を転職につなげるには
副業である程度の実績を積んだら、転職活動に移行しましょう。副業で培った実績やスキルは、未経験からの転職において強力な武器になります。
クライアントから高評価を得られていれば、その声をポートフォリオに掲載することで信頼性が増します。「この人なら即戦力として活躍してくれそうだ」という印象を与えられるでしょう。
Webデザイナーのキャリアパスと将来性

Webデザイナーとしてキャリアをスタートさせた後、どのような道が開けているのでしょうか。将来性とあわせて見ていきましょう。
Webデザイナーの平均年収
Webデザイナーの平均年収は、経験や勤務先によって大きく異なります。一般的には、未経験からスタートした場合は年収300万円から400万円程度、経験を積んで一人前になると400万円から500万円程度が相場といわれています。
ただし、スキルを高めて上位職に昇格したり、フリーランスとして高単価案件を獲得したりすることで、年収600万円以上を目指すことも十分に可能です。
Webデザイナーからのキャリアアップ
Webデザイナーとして経験を積んだ後は、さまざまなキャリアパスが考えられます。
UIデザイナー・UXデザイナー UI/UXの知識を深め、より上流の設計工程に携わるポジションです。ユーザーリサーチやプロトタイピングなども担当し、サービス全体の体験設計に関わります。
アートディレクター 複数のデザイナーを束ね、プロジェクト全体のビジュアル面を統括するポジションです。クリエイティブディレクターへの道もここから開けます。
Webディレクター プロジェクトマネジメントやクライアントとの折衝を担当するポジションです。コミュニケーション能力や企画力が求められますが、デザイン経験があることで制作チームとスムーズに連携できます。
フロントエンドエンジニア コーディングスキルを磨き、エンジニアへ転向するキャリアパスです。JavaScript やフレームワークの知識を深めることで、より技術寄りのポジションを目指せます。
Webデザイナーの将来性
Webサイトやアプリの需要は今後も拡大が見込まれており、Webデザイナーという職種自体がなくなることは考えにくいでしょう。ただし、AIツールの進化により、単純なデザイン作業の価値は下がっていく可能性があります。
将来にわたって活躍し続けるためには、以下のようなスキルや視点を磨いていくことが重要といえます。
戦略的な思考力やビジネス視点を持ち、デザインを通じて課題解決に貢献できる人材は、今後も高い需要が続くと予想されます。また、新しい技術やトレンドを常にキャッチアップし、スキルをアップデートし続ける姿勢も欠かせません。
未経験からWebデザイナーに転職する際のよくある質問

最後に、未経験からの転職を検討している方からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 資格は必要ですか?
Webデザイナーに必須の資格はありません。企業が重視するのは資格よりもポートフォリオであり、実際のデザインスキルを示すことのほうが重要です。
とはいえ、Webデザイン技能検定やAdobeの認定資格などを取得しておくと、基礎知識があることの証明にはなります。学習のモチベーション維持に役立てるという活用方法もあるでしょう。
Q2. 美術やデザインのセンスがなくても大丈夫ですか?
デザインセンスは先天的なものではなく、後天的に身につけられるものです。良いデザインをたくさん見て分析し、模写を繰り返すことで、徐々にセンスは磨かれていきます。
絵が描けなくても問題ありません。Webデザイナーに求められるのは、イラストレーターとしての画力ではなく、情報を整理して視覚的に伝える能力です。
Q3. 学歴は影響しますか?
Webデザイナーの採用において、学歴が重視されることはほとんどありません。美術系やデザイン系の学校を出ていなくても、スキルとポートフォリオがあれば挑戦できます。
むしろ、これまでの職歴や経験をどうデザインの仕事に活かせるかをアピールするほうが効果的です。
Q4. どのくらいの期間で転職できますか?
個人差はありますが、学習開始から転職までに半年から1年程度かかるのが一般的です。フルタイムで学習に集中できる場合は半年程度、働きながら学ぶ場合は1年から1年半程度を見込んでおくとよいでしょう。
焦って転職活動を始めても、スキルやポートフォリオが不十分では不採用が続いてしまいます。しっかり準備を整えてから挑むことが、結果的に近道となります。
Q5. ブラック企業を避けるにはどうすればよいですか?
求人票だけでは見抜けないこともあるため、企業研究を入念に行いましょう。企業の口コミサイトを確認したり、SNSで社員の発信をチェックしたりする方法が有効です。
面接時に残業時間や教育体制について具体的に質問し、曖昧な回答しか返ってこない場合は注意が必要といえます。転職エージェントを利用している場合は、企業の内情を教えてもらえることもあります。
まとめ
未経験からWebデザイナーへの転職は、決して簡単な道ではありませんが、適切な準備と戦略があれば十分に実現可能です。
ポイントを振り返ると、まずはデザインの基礎知識とツールの操作スキル、HTML・CSSの知識を身につけることが第一歩となります。その後、質の高いポートフォリオを制作し、転職活動に臨みましょう。
年齢に関しては、20代が最も有利ですが、30代以降でも前職の経験を活かすことでチャンスをつかむことは可能です。副業から始めて実績を積むというアプローチも選択肢のひとつとして検討してみてください。
Webデザイナーは、努力次第でスキルアップし、キャリアを広げていける魅力的な職種です。この記事を参考に、ぜひ一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。



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